雲南旅情(其之六)〜昆明表裏
- 中国は今飛躍的に発展しつつある。
- それはこの4年間でひしひしと体感している。
- 特に都市部でそれは顕著に表れている。
- 西の都である昆明でこれなのだから、いわんや他の主要都市をや、である。
- 前日の日記にあるように、昆明は大都市である。
- 環状線が走り、高速道路や有料道路が縦横無尽に走り、郊外ではどんどん新しいアパルトメントが立ち並ぶ。
- 日本とさほど変わらないのである。
- 来年このアパートは残っているだろうか?
- 中国ではベランダを勝手に改造して拡張することが多い。
- 花を飾ったり、鳥籠をぶら下げたりしている。
- 日本が戦後急速な発展を遂げた時代に良く似ている。
- 古いものは取り壊され、新しいものへと移ろってゆく。
- 道路は拡張され、舗道が整備され、町並みは綺麗になっているのだが、それはまだ表通りに面したところだけに過ぎない。
- ブロックから一歩中に入れば相変わらず雑然とした古い町が残っているのである。
- これはあくまで個人的な好みに過ぎないのであるが、私はそのような古い町並みが好きだ。
- 廃墟といってもいいようなバラックの立ち並ぶ中にも人の営みは存在する。
- ちょっと訪れただけの観光客の目にはとまらないかもしれない。
- しかし、表通りから一歩廃墟の中へと足を踏み入れればそれは別世界。
- いや、別時代というべきか。
- 早朝であれば、露天が並び、市が立つ。
- 日本でもおなじみの野菜や果物に混じって、みたことのないような食材が並んでいる。
- 沖縄の公設市場(マチグワァ)に近い感覚だ。
- ニワトリは生きたまま籠に入っていたり、豚足や耳がぶら下がっていたりする。
- こういう市場をそぞろ歩くのは楽しくて仕方がない。
- 中には水蒸気を上げている蒸し器を並べた露天があり、饅頭やパオズや焼き鳥、蒸しパンが売っていたりする。
- 南西部は北部と異なり米文化なので米粉麺(ヌードル)で朝ご飯にする人も少なくない。
- ちなみに、中国の人はよく食べながら歩いている。
- 食べながらこのような市場をブラブラするのは老若男女を問わない楽しみのようだ。
- 中でも若い人は、アイスクリームを食べながら歩いたりしている。
- 衛生面ではお世辞にも綺麗とは言えまい。
- 日本人がこのようなところで朝ご飯を食べることはないだろうが、私はついつい買い食いをして中国人のように食べながら歩いてしまうのである。
- せっかく中国に来て、中国の中国たるところを知らずしてどうする?(笑)
- 一歩表通りから中を覗けば、古い昆明の街が潜んでいる。
- しかし、取り壊されて新しいビルディングに置き換わるのも時間の問題か。